肩こりのけん引療法

肩こりのけん引療法

けん引療法は、理学療法のひとつで、器具などを使って、首または腰を引っ張る治療法です。
引っ張ることにより、狭くなった背骨の隙間を広げて、頸椎や腰椎、椎間板の神経圧迫を取り除き、痛みやしびれを緩和させたり、けん引のストレッチ作用で緊張している筋肉を緩めたりします。
けん引療法は、装置の操作性が簡便で安全な治療であり、薬物治療のような副作用の心配もないことなどから、古くから行われている治療法です。
このようなけん引療法は、整形外科などの医療機関で、肩こりの治療を行う際にも用いられる場合があります。
肩こりの治療に用いる場合には、頸椎や腰椎、椎間板などの変形や異常などが原因でおこる症状の一部として、肩こりが認められる場合などが主です。
けん引療法にはいくつかの方法がありますが、肩こりの治療の際に用いられるのは、頸椎、腰椎に対する介達けん引法とよばれるものです。
介達けん引法とは、骨を直接けん引するのではなく、皮膚や腰椎帯などの介在物を介してけん引する方法です。
具体的には、腋や骨盤部を固定し、器具で首や腰を引っ張ります。
腰椎や頸椎を伸ばすことで、椎間板や靭帯の負担を軽減し、神経への圧迫や筋肉の緊張をとるとともに、患部の血行を良くする効果があり、その結果、こりや痛みが軽減されます。
ただし、けん引療法は強制的に身体を引っ張りますので、その際に筋肉が反発します。
肩こりなどで筋肉のこわばりが強い場合、その筋肉をけん引すると、筋肉を弛緩させるどころか、一層こわばりが強くなり、症状を悪化させてしまう場合があります。
また、高齢者や虚弱者、坐骨神経痛、リウマチなどの炎症性脊椎疾患、骨粗鬆症、心疾患、肺疾患などの持病がある人、患部がひどい炎症などをおこしている急性期にある場合など、患者の状態によって用いられない場合があります。
このようなことからも、けん引療法は、自分自身の判断などで行うのではなく、専門医などの指導のもとで、行うようにしましょう。